デマンドレスポンス
ネガワット取引
「ネガワット取引」は文字通り、電力量(ワット)の削減分(ネガティブ)を売買することです。
通常は「アグリゲータ」と呼ぶ仲介会社が間に入って、電力会社の要請に応じて一般企業が節電に協力する方法をとります。
※グローバルエンジニアリングは東京電力管内、九州電力管内のアグリゲータです。
このように電力会社からの要請を受けて節電に協力することを「デマンドレスポンス」と呼び、デマンドレスポンスを実施することによってネガワット取引が発生する仕組みです。 協力した企業には節電した電力量に応じて報奨金が支払われるシステムになっています。
これまでも夏の昼間などに電力の需給状況が厳しくなった場合にネガワット取引が行われてきました。 節電分にプレミアムを付けて電気料金から割り引く方法が一般的でしたが、今後は節電した電力そのものを売れる環境が整っていく方向です。 2016年4月に実施する小売の全面自由化に伴って、小売事業者が電力を一時的に調達する手段としてネガワット取引を活用する可能性が出てきます。
政府はネガワット取引の拡大に向けて、事業者や需要家が守るべきガイドラインを2015年3月に策定しまた。 特に重要な部分は節電量の算出方法です。このガイドラインでは、電力会社から節電の要請がなかった場合に見込まれる電力量を 「ベースライン」として設定して、実際の使用量との差を削減分とみなします。
実際のネガワット取引の流れは次のようになります。電力会社が需給状況の予測に基づいてアグリゲータに節電を要請すると、アグリゲータは必要な節電量をもとに需要家ごとの節電量を設定します。 アグリゲータから要請を受けた需要家はガイドラインに従ってベースラインを設定してから、必要な削減量を確保できるように節電を実施する段取りです。
【取引の流れ】
@ 電力会社は需給逼迫を予想する。
A 電力会社はアグリゲーターへ節電要請を行う。
B アグリゲーターは需要家ごとに節電量を設定する。
C アグリゲーターは各需要家へ節電要請を行う。
D 各需要家は節電を実施する。
E アグリゲーターは各需要家へネガワットの対価として報酬を支払う。
F アグリゲーターは各需要家との間でネガワットと報酬を集約管理する。
G 電力会社は需要逼迫を回避し、アグリゲーターへネガワットの対価として報酬を支払う。