電力会社の販売量が上半期に1.9%減少、企業向けで歯止めかからず

2015年10月16日 <ITメディア>

電気事業連合会が2015年4月〜9月の6カ月間の販売電力量を集計した結果、電力会社10社の合計で3958億kWh(キロワット時)になり、前年同期と比べて1.9%の減少だった。6カ月間の販売電力量が4000億kWhを下回ったのは、1997年度の下半期に3900億kWhを記録して以来7年半ぶりだ。

用途別では家庭向けの「電灯」は前年比で0.1%減に収まったが、電気事業連合会によると検針日数が前年と比べて長かったことが要因の1つである。電力会社は現在のところ自動検針を実施していないために検針日数が月ごとに変わり、特に件数の多い家庭向けの電灯では変動幅が大きくなる。

企業のオフィスなどで利用する「業務用」の電力は3.7%も減少した。2014年度の上半期から3期連続で3%以上の落ち込みが続いている。企業や自治体の節電効果に加えて、電気料金の安い新電力へ移行する企業や自治体が増えた影響も大きい。

工場で利用する「産業用」は前年から2.4%減り、過去2年間で最大の減少率である。主要の7業種では鉄鋼の落ち込みが大きく、前年比で7.7%も低下した。鉄鋼の電力需要は自動車などの機械産業に次ぐ規模で、産業用の販売電力量を押し下げる要因になった。

電気事業連合会は地域別の販売電力量を10月30日に公表する予定だ。2014年度の上半期は九州の減少率が4.9%と最も大きく、次いで関西と四国の4.8%、東京の3.7%減と続いた。対して減少率が小さかったのは東北の1.1%、沖縄の1.5%、北陸の1.9%である。2015年度の上半期も同様の傾向が続く可能性は大きい。