企業、原発10基分が新電力へ 今夏の大手の供給に余力

2016年04月08日 <日本経済新聞>

経済産業省は8日、今夏の電力の需給予測をまとめた。東日本大震災前に比べ大手電力からエネット(東京・港)などの新電力に原子力発電所10基分に当たる約1千万キロワットの需要が移る見通しだ。大手電力の総需要の7%程度が移る計算だ。企業向けの電力自由化から15年。新電力の存在感は徐々に高まりつつある。

企業向けの電力販売は2000年から段階的に自由化され、震災による原発停止などで需要シフトが進んだ。大手9社の今夏のピーク需要は節電意識の高まりもあり、10年と比べ2437万キロワット少なくなる見通しだ。

今夏は大手の供給力がピーク時の需要をどれだけ上回っているかを示す「予備率」が9社計で8.9%と安定水準を確保する。安定供給に最低限必要な3%の予備率を大きく上回る。