15年度の発受電電力量3.3%減 5期連続マイナス、過去最長

2016年04月14日 <日本経済新聞>

電気事業連合会が13日発表した2015年度の発受電電力量(速報、10社合計)は、前期比3.3%減の8644億5300万キロワット時だった。前期実績を下回るのは5年連続で、過去最長となった。夏場は気温が前年より低め、冬場は高めに推移したため冷暖房需要が減少した。原子力発電所の設備利用率(稼働率)は再稼働で2年ぶりにゼロから解消された。

電力大手10社のうち沖縄電力以外がマイナスだった。気温の影響に加え、節電意識の定着や産業用で電力大手から新電力への契約切り替えも影響したとみられる。

電源別では火力発電が前期比7%減の6038億2600万キロワット時だった。水力発電は出水率が高く、5.4%増の639億80万キロワット時。原発は九州電力の川内原発や関西電力の高浜原発が再稼働し、94億3700万キロワット時となった。

16年3月の発受電電力量は前年同月比3.4%減の737億4200万キロワット時だった。気温が前年より高く、暖房需要が減った。電事連は3月分をもって発受電電力量の集計を取りやめる。4月に電力小売りが全面自由化されたのを機に、営業情報の公表は各社の判断に委ねるという。